noteの手数料が高すぎるので、AIと1日で競合サービスを作った話
怒りから始まった
noteで有料記事を販売している。投資分析の記事を書いて、1記事500円〜1,000円で売っている。
ある日、売上明細を見て気づいた。
¥10,000売り上げて、手取りは¥8,000〜¥8,500。
手数料が15〜20%。
1記事¥1,000で売って、noteに¥150〜200持っていかれる。年間で考えると数万円〜十数万円。noteが何をしてくれているかというと……記事のホスティングだけ。
エディタも使いにくい。Markdownは使えない。画像のアップロードも面倒。APIもない。CLIもない。
「じゃあ自分で作るか」と思った。
Geminiと壁打ち
最初にGeminiに相談した。「noteみたいなサービスで、CursorやClaude Codeから直接有料記事をリリースできるサービスはないか?」
答えは「ない」だった。
- noteはAPIを公開していない
- Zennは有料記事に対応していない(「本」は有料にできるが単発記事は無理)
- 海外のGhostはAPI完備だが、日本向けではない
「ないなら作ろう」という話になった。
Geminiが提案したコンセプトは「Headless Paywall」——CLIから publish ./article.md --price 500 と叩くだけで有料記事が公開されるサービス。
面白いと思った。でもGeminiとの会話だけではコードは生まれない。
Claude Codeで1日で作った
Cursor + Claude Codeを開いて、実装を始めた。
朝、Geminiとの会話ログを貼って「これを作りたい」と伝えたら、Claude Codeが設計を始めた。ビジネスモデルの整理、コスト試算、技術設計、全部やってくれる。
そこからコードを書き始めた。
午前中にできたこと
- サーバーの骨格(API + DB + テンプレート)
- 記事の投稿・表示
- Markdownエディタ(プレビュー付き)
- 画像のドラッグ&ドロップアップロード
午後にできたこと
- Google / X (Twitter) のOAuthログイン
- Stripe決済(購入 + 30分以内返金)
- CLIツール(
draft pushでターミナルから記事を公開) - SSH公開鍵認証(GitHubと同じ方式)
夕方にできたこと
- Cloudflare Tunnelで独自ドメイン公開
- セキュリティ対策(XSS防止、レート制限、ファイアウォール)
- ダッシュボード(売上統計)
- 購入者レビュー機能
1日で、noteの主要機能を全部実装した。
noteにない機能を付けた
作るからにはnoteより良いものにしたかった。
CLIから記事を公開できる
$ draft push ./my-article/ --price 500
🔑 SSH認証中... ✅
📤 chart1.png
📤 chart2.png
🚀 https://draft-publish.com/articles/...
ターミナルから1コマンド。Markdownで書いて、画像と一緒にフォルダごと投稿。画像は自動でアップロードされて、Markdown内のリンクも自動で書き換わる。
noteではブラウザを開いて、エディタに貼り付けて、画像を1枚ずつアップロードして……という作業が必要。この摩擦がなくなるだけで、記事を書くモチベーションが全然違う。
30分以内なら無条件返金
noteで「ハズレ記事」を買ったことがある人は多いと思う。煽りタイトルで中身スカスカ。買ってから「失敗した」と気づいても返金できない。
Draftでは購入後30分以内なら無条件で返金できる。返金率が高いクリエイターの記事には、その数字が表示される。
読者が安心して買える = クリエイターも信頼される = 結果的に売上が伸びる。
最低300文字の無料公開が必須
有料記事を公開するとき、最低300文字を無料で公開する必要がある。「煽りタイトルだけ → 有料」というパターンを構造的に防止する。
読者は購入前に記事の質を判断できる。
スラッシュコマンド(Notionライク)
エディタで / を入力するとメニューが表示される。見出し、リスト、コードブロック、テーブル、引用——全てメニューから挿入できる。
Notion使いなら違和感なく使える。
Markdownの完全サポート
noteのエディタではできないことが全部できる。
- コードブロック(シンタックスハイライト付き)
- テーブル
- 数式
- 取り消し線
- ネストされたリスト
技術記事を書くエンジニアにとって、これは致命的に重要。
手数料の話
Draftの手数料は 6.6%。内訳は:
- Stripe決済手数料: 3.6%(これは変えられない)
- プラットフォーム手数料: 3%
noteは15〜20%。Draftはnoteの3分の1。
¥1,000の記事が売れた場合:
| note | Draft | |
|---|---|---|
| 手数料 | ¥150〜200 | ¥66 |
| 手取り | ¥800〜850 | ¥934 |
| 年間100万円売ったら | ¥15〜20万の差 |
月10万円売るクリエイターなら、年間で10万円以上の差が出る。
AIと一緒に作るということ
今回の開発で一番驚いたのは、AIとの対話だけでプロダクトが完成するということ。
自分がやったのは:
- 「こういうサービスが欲しい」と伝える
- 画面のスクリーンショットを見せて「ここを直して」と言う
- 「手数料はどうする?」「セキュリティは大丈夫?」と質問する
コードは1行も手で書いていない。全てClaude Codeが書いた。
でもこれは「AIが全部やった」という話ではない。何を作るか、なぜ作るか、誰のために作るか——それを決めるのは人間の仕事だ。noteへの怒り、読者保護への信念、手数料設計の哲学。それはAIには出せない。
AIは最強の実装パートナー。でも「何を作るべきか」を知っているのは、現場で痛みを感じている人間だけ。
これから
Draftはまだベータ版。サーバーダウンやデータ欠損の可能性もある。
でも、動いている。記事を書ける。決済もできる。CLIからpushもできる。
もしnoteの手数料に不満を感じているクリエイターがいたら、試してみてほしい。
- Web: https://draft-publish.com
- CLI:
pipx install git+https://github.com/s-saga011/draft-publish.git
フィードバックはトップページのフォームか、直接連絡をもらえると嬉しい。一緒に良いプラットフォームを作りましょう。
この記事はDraft CLIで書いて、draft push で公開しました。